PISA2025から考えるAI時代の学力―日本が主要3分野でOECD加盟国1位

生成AIや1人1台端末が当たり前になりつつある中、「これからの子供に必要な学力とは何か」は教員採用試験でも重要なテーマです。

そのヒントになるのが、2026年9月に公表されたPISA2025です。そして10月1日には文部科学省のデジタル学習基盤特別委員会で、PISA2025のICT関係の結果が議題となり、情報活用能力や生成AIの教育利用などと合わせて検討されました。

「AIをたくさん使えば学力が高くなる」わけではない

PISAはOECDが実施する国際的な学習到達度調査で、15歳段階の生徒が、知識を実生活の課題にどの程度活用できるかを調べます。

PISA2025には世界91の国・地域から約76万人が参加しました。OECD全体では読解力と数学的リテラシーの低下が大きな課題となり、三つの主要分野すべてで低習熟度に位置する生徒は約5人に1人となっています。

一方、日本は科学的コンピテンシー、読解力、数学的リテラシーの主要3分野すべてでOECD加盟国中1位となりました。文部科学省によれば、これは調査開始以来初めてです。ただし、読解力の平均得点低下や低得点層の割合増加という課題も示されています。

AI利用についても興味深い結果があります。OECDの日本向け資料によると、日本では学校の学習のためにAIチャットボットを週1回以上利用した生徒は27%で、OECD平均46%を下回りました。一方、学校課題についてAIを「全く、またはほとんど使わない」とした生徒は39%でした。

「AIをたくさん使えば学力が高くなる」「使わなければよい」という単純な話ではないことです。

生成AIは、調べ学習や文章作成、アイデア整理などを助ける可能性があります。しかし、AIがもっともらしい誤情報を出すこともあります。

そのため学校教育で育てたいのは、ツールの操作方法だけではありません。情報の根拠を確かめ、複数の情報を比較し、「この回答は本当に正しいのか」と判断する力が必要です。

これはまさに情報活用能力の問題です。

文部科学省の10月1日の会議でも、PISA2025のICT関係の結果とともに、次期学習指導要領に向けた情報活用能力の抜本的向上や、生成AI利用ガイドラインの改定状況が議題になっています。

教員採用試験で押さえるポイント

ICT活用では「端末を使った=よい授業」ではありません。

授業のねらいに対して、紙、対話、実物、ICT、生成AIなどから適切な方法を選ぶことが教師の役割です。

さらに生成AIでは、情報モラル、著作権、個人情報、情報の信頼性、自分で考える過程の保障なども重要になります。

試験対策

予想テーマは、

「生成AIが普及する社会において、学校教育で育成すべき力について論じなさい」

です。

小論文では「AIを禁止すべき」「積極的に使うべき」という二択にしない方がよいでしょう。

AIを活用できる力に加え、出力を批判的に検討する力、自分の考えを形成する力、他者と対話する力、情報を適切に扱う倫理性を育てる必要がある、と整理できます。

そして教師自身もAIの特性と限界を理解し、学習目的に照らして使用場面を判断する、という教師の役割まで書くと説得力が増します。

まとめ

PISA2025で日本は高い結果を示しましたが、教採対策としては「日本は1位だった」で終わらせてはいけません。

読解力の課題やAI時代の情報活用能力まで考えることが重要です。

これからの教師には、子供をICTの「利用者」にするだけではなく、情報を吟味し、自分で判断できる学習者に育てることが求められます。


教育ニュースを毎週発信していきます☆