生成AI時代、学校の授業はどう変わる?次期学習指導要領から考える

ChatGPTをはじめとした生成AIが、一気に身近なものになりました。

文章を考えてもらったり、分からないことを質問したり、アイデアを出してもらったり。

大人でも普通に使うようになった今、「学校では生成AIをどう扱っていくのか?」というのは、かなり気になるテーマです。

そんな中、2026年10月5日、中央教育審議会の教育課程部会から「次期学習指導要領等に向けた審議まとめ」が公表されました。次期学習指導要領に向けて、情報活用能力の充実も大きなテーマの一つになっています。

今回は、生成AIの普及によって学校教育がどう変わっていきそうなのか、教員を目指す人の目線も交えながら考えてみます。

「AIを使える」だけでは足りない

生成AIの教育というと、

「学校でもChatGPTの使い方を教えるのかな?」

と考えてしまいます。

もちろん、AIを適切に使う力も必要です。

ただ、現在議論されている「情報活用能力」は、それよりもかなり広いものです。

文部科学省のこれまでの検討では、AIを使いこなす力について、単なる操作方法ではなく、

AIを適切かつ効果的に活用し、自分で問題を発見・解決したり、自分の考えを形成したりする力

として捉える方向性が示されています。

例えば、

AIが出した答えは本当に正しいのか。

どこから得た情報なのか。

別の情報と比べるとどうなのか。

そもそも、この場面でAIを使う必要があるのか。

こういったことまで自分で考えられる力が求められていきそうです。

生成AI時代だからこそ「情報を疑う力」が重要になる

生成AIはとても便利ですが、もっともらしい間違った情報を出すことがあります。

SNSにも、正しい情報と間違った情報が入り混じっています。

さらに、自分が普段見ている情報そのものが、アルゴリズムによって選ばれていることも珍しくありません。

文部科学省の議論でも、生成AIによるハルシネーションなどを背景に、情報をそのまま受け取るのではなく、

情報を吟味し、批判的に評価する力

の重要性が指摘されています。

これは学校教育にとって、かなり大きな変化ではないでしょうか。

以前であれば、

「インターネットで調べてみよう」

で終わっていたものが、

これからは、

「その情報、本当に正しい?」

「誰が発信している?」

「他の情報源ではどう書かれている?」

「AIが出した回答をそのまま使って大丈夫?」

というところまで考える必要があります。

子どもたちにとって、情報を「探す力」以上に、

情報をどう扱うかを判断する力

が重要になってきそうです。

小中学校の「情報教育」も大きく変わる可能性

これまでの審議では、小学校では総合的な学習の時間に「情報の領域」を設け、中学校では現在の技術分野を発展させた「情報・技術科」を設ける方向など、情報教育を大幅に充実させる案も議論されています。

メディアリテラシーやAIをはじめとする情報技術について、これまで以上に体系的に学ばせようという考え方です。

まだ次期学習指導要領そのものが完成したわけではないため、具体的な内容は今後の議論で変わる可能性があります。

それでも、

「パソコンの使い方を覚える」だけの情報教育ではなくなる

という方向性はかなり見えてきたように思います。

生成AI、SNS、偽情報、情報モラル、プログラミング。

子どもたちが生きていく社会を考えれば、こうした内容を学校で扱う重要性は今後さらに高くなりそうです。

教師の役割も少しずつ変わるかもしれない

そして、生成AIが学校に入ってくれば、当然教師側にも新しい知識が求められます。

「AIは禁止です」

だけでは、おそらく済まなくなっていきます。

一方で、

「便利だからどんどん使いましょう」

でも危険です。

どんな場面なら使わせるのか。

どんな場面では自分で考えさせるのか。

AIの答えに間違いがあったときにどう指導するのか。

個人情報などを入力してしまわないために何を教えるのか。

教師自身がAIとの付き合い方を理解した上で、子どもたちに教えていく必要があります。

実際、文部科学省も、メディアリテラシーや情報モラルを含む情報活用能力を育成するとともに、安全かつ主体的にAIを活用できる学習環境が必要だとしています。

教採受験生としてどう見る?

教員採用試験を受ける人にとっても、生成AIはこれから無視できないテーマだと思います。

例えば面接で、

「生成AIを授業で活用することについてどう考えますか?」

と聞かれたとします。

ここで、

「便利なので積極的に使います」

だけでも、

「危険なので使わせません」

だけでも、少し極端です。

大切なのは、

メリットとリスクの両方を理解した上で、子どもの学びにつながる使い方を考えること

ではないでしょうか。

例えば、

「生成AIをすぐに正解を得るための道具として使うのではなく、子ども自身が考えた上で、別の視点を得たり、自分の考えを見直したりするために活用したい」

といった考え方もできます。

正解を丸暗記するよりも、

「自分なら教室でどう使うか」

を一度考えておく方が、教採対策としても役に立ちそうです。


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