教員の平均勤務11時間。『先生は忙しい』を数字で見る

「先生は忙しい」

教員を目指している人なら、一度は聞いたことがある言葉ではないでしょうか。

授業だけでなく、教材研究、行事、保護者対応、部活動、校務分掌……。

仕事が多いというイメージはありますが、実際のところ、先生たちはどのくらい学校で働いているのでしょうか。

2026年9月、小学館の教員向けWebメディア「みんなの教育技術」が、全国の教育関係者を対象にした勤務実態アンケートの結果を公表しました。

その結果を見ると、現役教員の出勤から退勤までの平均時間は約11.05時間。

なかなか考えさせられる数字です。

今回は、この調査結果から「先生の働き方」について考えてみます。

教員の平均は約11時間勤務

今回の調査は、2026年5月23日から7月5日にかけて実施され、全国47都道府県の教育関係者2,672人が回答しました。

そのうち、現役教員は2,560人です。

勤務時間について見ると、

79.4%が10時間以上勤務

さらに、

24.3%が12時間を超えて勤務

していたという結果になっています。

平均すると、出勤してから退勤するまで約11.05時間でした。

例えば朝7時30分に学校へ着いたとすると、単純計算では退勤するのは18時30分ごろ。

朝8時なら19時ごろになります。

もちろん学校や担当、時期によって働き方は大きく違うと思いますが、「先生は忙しい」というイメージが、数字としても見えてきます。

実は2025年からほとんど変わっていない

2025年の同じ調査では、平均勤務時間は11.17時間でした。

2026年は11.05時間なので、数字だけを見れば少し短くなっています。

ただ、その差は約7分。

大幅に改善したとは言いにくく、調査元も「ほぼ横ばい」としています。

学校現場では以前から「働き方改革」という言葉が使われています。

会議を短くしたり、ICTを使ったり、学校行事を見直したり。

少しずつ変わっている部分もあると思います。

それでも、先生が学校にいる時間そのものを見ると、まだ長時間になっているケースが多いようです。

ここは、

「働き方改革をしている=すぐに仕事が楽になる」

という単純な話ではないのかもしれません。

さらに気になるのが「休憩時間」

そして今回、勤務時間以上に気になった数字があります。

それが休憩です。

アンケートでは、

64.6%が「休憩時間をほとんどとれない」

と回答しています。

さらに「15分未満」と回答した人まで含めると、該当する回答者の84.1%に達しました。

これは学校という職場ならではの難しさもありそうです。

例えば昼休み。

会社員であれば「12時から13時まで昼休み」という職場もありますが、学校では給食指導があります。

子どもと一緒に給食を食べ、その後も昼休みの対応があり、すぐ午後の授業が始まる。

「休憩時間は設定されているけれど、実際には休めない」

という状況が生まれやすいことは想像できます。

長時間勤務そのものだけではなく、

勤務中に一息つける時間があるのか

という視点も、先生の働き方を考える上では重要なのだと思います。

「残業時間」だけでは分からない大変さもある

今回の調査でもう一つ興味深かったのが、教員が求めている改善についてです。

2026年の調査では、単純に残業時間を減らすことだけでなく、「情緒的な疲労」を減らしてほしいという声にも注目されています。

学校の仕事は、人と接する仕事です。

子どもへの対応。

保護者への対応。

同僚との連携。

予想していなかったトラブルへの対応。

単純に「仕事量が多い」だけではなく、精神的に気を遣う場面も多いはずです。

仮に勤務時間が30分短くなったとしても、その30分だけで働きやすい職場になるとは限りません。

仕事量を減らすこと。

休める時間を作ること。

相談できる環境を作ること。

業務を一人で抱え込まない仕組みを作ること。

いろいろな方向から改善していく必要がありそうです。

教員を目指す人はどう考える?

教員採用試験を受ける人にとって、このニュースは少し不安になる内容かもしれません。

「やっぱり先生って大変なのかな」

と思う人もいるでしょう。

ただ、個人的には、

「教員は忙しいからやめておこう」

だけで終わらせるニュースではないと思います。

これから教員になる人も、学校の働き方を作っていく側になるからです。

例えば、

ICTを使って作業を効率化する。

教材を一から毎回作らず共有する。

周囲の先生に相談する。

一人で仕事を抱え込まない。

必要性の低い業務については見直していく。

若い先生だからできることもあるかもしれません。

もちろん、個人の工夫だけで解決できない問題もたくさんあります。

だからこそ、

「先生が子どもと向き合うためには、先生自身が無理なく働ける環境も必要」

という視点を持っておくことは大切だと思います。

教採の面接でも「働き方改革」は他人事ではない

教員採用試験という視点でも、学校の働き方改革について一度考えておいて損はありません。

例えば、

「教員の多忙化についてどう考えますか?」

「働き方改革を進めるために、あなたなら何ができますか?」

と聞かれたとします。

そこで、

「残業を減らせばいいと思います」

だけで終わるより、

なぜ先生の仕事が多くなるのか

業務を効率化することで何の時間を生み出したいのか

まで考えてみると、回答はかなり変わってきます。

働き方改革の目的は、単純に先生が早く帰ることだけではありません。

先生に余裕が生まれれば、

授業を考える時間。

子どもの変化に気付く時間。

同僚と相談する時間。

自分自身が休む時間。

そうした時間を確保しやすくなります。

最終的には、子どもたちの教育にもつながっていく話だと思います。


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